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最後のポイントとして、ポートフォリオ運用では、定期的に「リバランス」をすることが重要です。

 

リバランスとは、ポートフォリオ運用を行う際に相場の変動によって変化した投資配分の比率を、ポートフォリオの一部を売ったり、買い増したりして、元の比率に戻すことをいいます。例えば、当初4つの商品を25%ずつ均等に組み合わせて分散投資を始めても、値上がり、値下がりによってその比率は変化していきます。それを、当初設定した比率に意識的に修正するのがリバランスです。リバランスを1年に1~2回程度行うと、さらにマイナスを被りにくくなり、リターンの向上につながる可能性が高くなります。

 

リバランスと対照的な比率変更の考え方として、「リアロケーション」があります。日本株による運用が好調なのでさらに比率を高めるというように、相場の状況を見極めて、機動的に各資産への投資比率を変更するという方法です。一見、合理的に思えるこの方法では、結局は運用成果は相場次第というポートフォリオに変更することになり、大きなマイナスを被る可能性を高めることにつながりかねません。自分自身の相場観を持つ、投資の中~上級者になって初めて行うことと思っておいた方がいいでしょう。

 

個人投資家がマネーゲームに翻弄されないためには、感覚的に「いまが買いだ」と判断して集中投資をするのではなく、戦略的な資産形成を考えなければいけません。そうすれば、株式相場の下落局面でも慌てずに投資を続けることができるからです。失ってはいけない、まとまったお金の運用を考えるのであれば、少なくとも12年かけて、じっくりと「負けにくい」ポートフォリオを構築するべきだといえるでしょう。(完)

負けにくい状況が作れたら、具体的に金融商品を選ぶことになります。その際のポイントをご紹介しておきましょう。

 

【日本株】個別銘柄であれば、まずはグロース投資(成長株への投資)かバリュー投資(割安株への投資)かを選択します。グロース投資であれば、EPS(1株当たり利益)が100円以上、ROE(株主資本利益率)が10%以上などの条件を満たす銘柄を吟味し、バリュー投資ならば、PER12倍以下、PBR1.5倍以下などをモノサシとして具体的に見ていくことになるでしょう。個別銘柄ではなく、日本株で運用する投信を購入するならば、インデックスを上回る成果を上げることが目的のアクティブ型か、投資コストが低めのインデックス(パッシブ)型のいずれにするかの選択から始めます。

 

【外国株】まずは、日本株同様に個別銘柄か投信かを選択します。個別企業の情報収集が難しいことを考えると、一般的には投信を利用する方が無難でしょう。投信であれば、先進国の株式に投資するものか、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめとした新興成長国の株式に投資するものかを選択し、さらにアクティブ型かインデックス型かを決めることになります。

 

【日本債券】日本債券を購入するポイントとしては、①短期債か長期債か、②格付けが高いか低いか、③現物の債券か投信か、の3点が挙げられます。

 

【外国債券】外国債券を買う場合、米ドル、ユーロ、豪ドルあるいは他の国の通貨といった、どの国の通貨建てのものかを選択することから始めます。さらに、先進国の国債や格付けの高い社債など、リスクも利回りも低めの債券を選ぶのか、それとも反対に低格付けだが高利回りのハイイールド債やエマージング債(発展途上国の国や企業が発行する債券)を選ぶかを決める必要があります。

 

なお、ポートフォリオ運用で海外投資を行う場合の基本セオリーとしては、株式投資は成長性を重視して新興国中心に、債権投資は安定性を重視して先進国中心ということを覚えておきましょう。

 

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個人投資家が「時間」を武器として利用しようとすると、同時に強力な味方を得ることができます。それが「複利効果」です。「複利効果」は、投資によって得られた収益を再度、投資元本に組み入れて運用することで得られるものです。長期保有では特に「複利効果」が力を発揮します。しかし、値動きがあるものへの投資では価格が必ず上げ下げするため、複利運用を行う場合、プラスとマイナスの両方の複利効果が出てきてしまいます。資産運用では、このマイナスの複利効果が大敵となるのです。

詳しくは入門講座⑤をご覧ください。

 

通常、株式投資だけを行うと、株価が上げ下げを繰り返すなかで、「下げ」の状態のときにマイナスの複利効果が働き、資金が大きく減ってしまうことになります。

長期運用で複利効果を味方につけるには、勝ち負けを繰り返さないこと、特に大きなマイナスを被らないことが肝心なのです。

 

以上の3つのポイントを押さえた投資方法として、私は長期的な国際分散投資をおすすめします。「負けにくい資産運用」を実践しようとする場合には、いかに負けにくい状況を作り出すのかが重要になってきます。そのためには集中投資ではなく、値動きの違う商品を意識的に組み合わせることが望ましいのです。具体的には、日本株、外国株、日本債券、外国債券、の4つを基本とし、これにREIT(不動産投信)や商品(コモディディ)などを加えた組み合わせです。

 

運用資金をいくつかの投資対象に分けて投資し、それぞれの比率を決めたときに、負けにくい状況が作られたことになります。性質が違う複数の商品に同時に投資することで、安定的に収益を上げることができる、いわゆる「ポートフォリオ運用」が個人投資家でも可能になるわけです。

 

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第1の長期保有を前提とした株式投資のスタイルが望ましいというのには理由があります。株式市場では、不健全な企業が退場していく代わりに、健全で成長力のある企業が入場してくる、といった新陳代謝が常に行われています。この新陳代謝が株式市場全体の上昇を下支えしているわけです。そのため成長力のある銘柄や特にその国の経済規模が拡大していく過程では、インデックスファンドを長期保有することによって、短・中期では上げ下げがあるものの、長期的にはキャピタルゲインを得る可能性が高くなるのです。「投資」は、企業に「資金」と「時間」を提供し、その企業の成長度合いに応じて利益を得ることだと考えるとよいでしょう。

 

一方、「投機」は機会(タイミング)に対してお金を「投げる」ことであり、勝者のかげには敗者が必ず存在します。短時間で勝敗が決する「投機」では、①豊富な資金量、②情報収集量、③情報分析力、④運、の4つが勝ち残るために必要な条件といえます。機関投資家や投資信託を運用しているファンドマネジャーなどのプロと比較したとき、個人投資家が対抗できるのは4番目の「運」くらいでしょう。これでは、負ける可能性が高いということに気づかざるを得ません。

 

詳しくは

「投機と投資」①

  及び 

「投機と投資」②参照

 

それでは、個人投資家が負けないためには、どうすればいいのでしょうか。私は「時間」を活用するのが最善と考えています。ファンドマネジャーなどのプロは、投資家から常に期間損益を求められ続け、「時価」との勝負を続けなければなりません。一方、個人投資家は価格が「薄価」以上となり、自分で決めた利益が得られるまで待ち続けることが可能であり、最終的なゴールラインを自分で設定でき、ゴールを達成すれば投資をやめることも自由です。つまり、時間を最も自由に管理できるのは個人投資家なのです。それを武器として最大限有効に使おうとすると、時間をかけて企業の成長を待つという株式投資のスタイルこそが、負けにくい資産運用につながりやすいと考えるからです。

 

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入門講座⑦:個人投資家の資産運用の王道は「負けにくい運用」(2

 

それでは、「残す資金」の運用の手段としての株式投資を考えてみましょう。

資産運用は長期運用を基本とし、

①「投資」と「投機」の違いを知る

②「時間」を最大の武器にする

③「複利効果」を味方にする

3つが個人にとっての王道といえます。

まず「投資」と「投機」の違いを知るためには、株式の売買には、資産形成、資産運用、投機の3つのスタイルがあることを理解していただきたいと思います。自分が行っている、あるいはこれから始めようとしている株式売買がそのうちのどれにあたるのかを認識したうえで、売買判断などの対処法が違うことを知っていないと、株式投資はうまくいかないからです。

 

詳しくは「入門講座②:株式投資の3スタイル」をご覧ください。

 

3通りの株式投資のうち、投資の初心者や50代以上の人には、第1のスタイルである長期保有を前提とした株式投資が最も望ましいスタイルといえます。

 

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