入門講座⑩:個人投資家の資産運用の王道は「負けにくい運用」(5)

負けにくい状況が作れたら、具体的に金融商品を選ぶことになります。その際のポイントをご紹介しておきましょう。

 

【日本株】個別銘柄であれば、まずはグロース投資(成長株への投資)かバリュー投資(割安株への投資)かを選択します。グロース投資であれば、EPS(1株当たり利益)が100円以上、ROE(株主資本利益率)が10%以上などの条件を満たす銘柄を吟味し、バリュー投資ならば、PER12倍以下、PBR1.5倍以下などをモノサシとして具体的に見ていくことになるでしょう。個別銘柄ではなく、日本株で運用する投信を購入するならば、インデックスを上回る成果を上げることが目的のアクティブ型か、投資コストが低めのインデックス(パッシブ)型のいずれにするかの選択から始めます。

 

【外国株】まずは、日本株同様に個別銘柄か投信かを選択します。個別企業の情報収集が難しいことを考えると、一般的には投信を利用する方が無難でしょう。投信であれば、先進国の株式に投資するものか、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめとした新興成長国の株式に投資するものかを選択し、さらにアクティブ型かインデックス型かを決めることになります。

 

【日本債券】日本債券を購入するポイントとしては、①短期債か長期債か、②格付けが高いか低いか、③現物の債券か投信か、の3点が挙げられます。

 

【外国債券】外国債券を買う場合、米ドル、ユーロ、豪ドルあるいは他の国の通貨といった、どの国の通貨建てのものかを選択することから始めます。さらに、先進国の国債や格付けの高い社債など、リスクも利回りも低めの債券を選ぶのか、それとも反対に低格付けだが高利回りのハイイールド債やエマージング債(発展途上国の国や企業が発行する債券)を選ぶかを決める必要があります。

 

なお、ポートフォリオ運用で海外投資を行う場合の基本セオリーとしては、株式投資は成長性を重視して新興国中心に、債券投資は安定性を重視して先進国中心ということを覚えておきましょう。

 

(6)へ続く