2011年5月のアーカイブ

(5)運用手法・スタイルをチェック!━「グロース型」か「バリュー型」か━

株式投信における銘柄選択方法として、「グロース型」と「バリュー型」、そして両者の中間的な存在といえる「ミックス型」に分ける、というスタイル分類もあります。

 

「グロース型」とは、企業の成長性に着目した投資手法で、現在の株価水準の判断は後回しにして、将来の成長が予想されるかどうかを最優先して、企業を選んで投資していくスタイルをいいます。

 

一方の「バリュー型」は株価の割安性に着目して銘柄選択を行うもので、その企業の利益や配当、資産などから見て、現在の株価が相対的に割安な水準にあると判断されるものに投資し、将来的に株価水準が見直されることを期待するというスタイルです。

 

一般的には、バリュー型よりもグロース型の方がリスクは大きめで、期待リターンの水準も高めといえます。また、経済の成長率が高いときにはグロース型の、低いときにはバリュー型のスタイルが優位に立つとも言われています。

 

各ファンドの目論見書には、「目標とするベンチマーク」や「ポートフォリオの構築方法」などが詳細に記述されています。難しそうなどと思って読み飛ばすことなく、ファンドごとの運用手法やスタイルについては、十分チェックしておく必要があります。

 

また、運用会社ごとに得意とする投資対象や運用手法・スタイルがあるということも知っておきましょう。特に外資系の運用会社については、各運用会社のホームページで「当社の運用哲学」などという項目をよく読むと、その運用会社の得意な運用とはどういうものなのかがわかる場合が多いはずです。当然ながら、その運用会社が得意とするタイプのファンドを選ぶというのがポイントになります。

 

(6)へ続く

(4)運用手法・スタイルをチェック!━「トップダウン・アプローチ」か「ボトムアップ・アプローチ」か━

株式投信・公社債投信ともに、アクティブ運用を行うために用いられる投資対象の選定手法には、「トップダウン・アプローチ」と「ボトムアップ・アプローチ」があります。

 

まず、「トップダウン・アプローチ」の手順は、例えば日本株ファンドならば、最初にマクロ分析を行ないます。つまり、経済成長率やインフレ率、金利、為替などの予測を行ない、それに基づいて産業セクター(業種)ごとの収益状況を予測し、好調が予想される産業の中から魅力的な企業を選択していくという手順をとるわけです。

 

また、グローバル投資型ファンドならば、一般的には各国の株価動向の予測などで地域別や国別の投資比率を決定し、その比率の中で地域ごと、国ごとに個別銘柄を選択することになります。このように、世界各国の株式市場や業種セクター全体についての見通しを立てた上で、個別銘柄の選択を行なうのが「トップダウン・アプローチ」です。このタイプのファンドの運用成績は、その運用会社のマクロ経済についての予測ノウハウや正確さに左右される部分が大きいといえます。

 

一方の「ボトムアップ・アプローチ」では、まずは魅力的な個別銘柄のピックアップに専念し、その銘柄を積み上げてポートフォリオを構築していきます。この場合、ファンドマネジャーによる個別企業の訪問やリサーチなどが活発に行なわれ、銘柄選択の有力な情報源となりますので、ファンドの運用成績は、個々のファンドマネジャーの眼力と手腕によって決まってくる部分が大きくなるといえるでしょう。

 

(5)へ続く