2012年2月のアーカイブ

39日(金)と10日(土)に有楽町の東京国際フォーラムで行われる東証IRフェスタで講演会の講師を行います。

 

講演のテーマは「個人投資家が知っておくべき資産運用の勘所~投機と投資の違いとは~」です。

 

私がお話しするのは39日(金)の1215130045分間で、弊社のお客様でもある養老孟司氏の次のコマになります。

 

ご興味のある方はお出掛けください。

 

会場には多くの企業のブースが出ているはずなので、長期投資に向く企業との出会いがあるかもしれませんね。

 

席に余裕がある場合には、当日申込みでもOKのようですが、予約はこちらで受け付けているようです。

 

 

(2)シャープレシオの計算方法

  

シャープレシオについては、簡単に投信ごとの数値を確認できるサイトなど(これについては、あとでお話しします)があるので、自分で計算できるようになる必要はないのですが、シャープレシオが何を意味しているかを理解するために、計算方法について触れておこうと思います。

 

シャープレシオは、「1リスク当たりのリターン」で算出されます。

 

具体的な算式は次のようになります。

 

シャープレシオ.bmp分子のリターン部分は、投信のリターンから無リスク利子率を差し引いた「超過リターン」が使われます。

 

無リスク利子率とは、リスクを取らずに実現できるリターン、すなわちリスクゼロに対応するリターンといえます。

 

分母にあるリスクの値に対応するのは、無リスク利子率を上回ったリターン部分ですので、無リスク利子率を引いているわけです。

 

無リスク利子率としては、短期金融市場の無担保コール金利などが使われますが、個人の資産運用でしたら、普通預金の金利を考えればいいと思います。

 

また近年の日本のようなゼロ金利状況下では、あえて差し引く必要もないでしょう。

 

一方、分母のリスク部分には、リスクの大きさ(ブレ幅)である「標準偏差」が使われるのですが、リターンとリスクの計算方法については、次回以降、詳しく説明したいと思います。

 

上の「シャープレシオ」の算式を概念図で表すと、下図のようになります。

 

 

シャープレシオ_2.bmp

この図の縦軸は投信のリターンを表していて、上に行くほどリターンが高くなります。

 

横軸は投信のリスクで右に行くほどリスクが大きくなることを示しています。

 

図の中で、左上に位置しているほど(◎)、つまり「傾き」が大きいほど、小さいリスクで高いリターン(ローリスク・ハイリターン)が達成されていることになります。

 

この「傾き」こそが、リターンをリスクで割ったシャープレシオにほかなりません。

 

傾きが大きい、つまりシャープレシオの数値が高いほど、運用効率が良かった投信といえるわけです。

 

 

(3)へ続く