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株式投資を行っている人とお話ししていてよく感じることとして、同じ「株式投資」という言葉を使っていても、その意味するものは大きく3タイプに分かれている、ということがあります。

一つ目は、510年以上の運用期間を考える場合の「資産形成」や、インフレを意識した「資産保全」のための株式投資で、われわれFPが最も得意とするスタイルです。投資対象である"株式=企業"に時間を与え、企業の成長を待ってリターンを得ようという考え方で、ROEなどを参考にしながら、将来大きな成長が期待できる"成長株"を投資対象として銘柄選択を行うことになります。株式投信ならば、"中小型株ファンド"や"グロース型ファンド"を選ぶことになるでしょう。

二つ目は、12ヶ月~1年程度の運用期間を考える場合の「資産運用」のための株式投資です。1ヶ月とか1年という期間で企業が大きく成長することはなかなか難しいですから、ほかの銘柄よりも割安と考えられる"割安株"を探して、保有している間に値段が見直されるのを待つといった、逆張りの発想で銘柄を選択することになります。当然、株価の水準が問題になりますから、PERやPBRなどの投資指標でスクリーニングを行った上で、チャートとにらめっこという方法をとることになるでしょう。株式評論家の方々が頼りにされることが多い投資スタイルといえます。

そして最後が、一週間から長くても一ヶ月、できればその日のうちに儲けたいというスタンスの、「投機」のための株式投資です。この場合には、どうしても投資指標や企業の内容などは二の次になりがちで、とりあえず現在値上がり中の銘柄(注目株)を選択して、利益を確保できたら早めに売却するという、順張りの発想で投資銘柄を探すことが多くなります。一般的に、証券会社の営業マンが推奨する銘柄には、このタイプのものが多いといえます。

 

「株式投資」の3タイプのうち、どのスタンスの株式投資がよくて、どのスタンスがいけないということはないのですが、問題なのは、投資家本人が「自分はどのスタンスで銘柄を選んでいるか」を正しく認識していない場合が非常に多いということです。実は、どのスタンスで投資しているのかによって、アドバイスを求めるべき相手は異なるのです。FPと株式評論家と証券マンでは、それぞれが異なるスタンスで「有望銘柄」を薦めていると思っていたほうが間違いが起こりにくいでしょう。

また、保有銘柄が値上がりや値下がりした場合の対処方法も全く異なってきます。たとえば、購入した銘柄が、買ったとたんに大きく値下がりしてしまったとします。もしも「投機」のスタンスで買っていたのならば、時間をおかずに「損切りする」というのが、多くの場合、正解になります。「資産運用」のスタンスなら、本当に割安という判断が間違っていないかどうかを確認した上で、しばらくは様子を見るということになるでしょう。しかし、「資産形成」のスタンスならば、その企業の成長性を再確認した上で、喜んで買い増すというのが、一般的にはとるべき行動となります。同様に、値上がり時の対応もそれぞれのスタンスで異なるため、それらを混同してしまっていると、せっかくの利益を得る機会を逃すだけでなく、大切な財産を失うことにもつながりかねません。

もちろん一人で3つのスタンスの投資すべてを同時に行うことも可能ですが、株式への投資を考えておられる方には、今一度、ご自分の投資スタンスをよく確認しておくことをお勧めしたいと思います。