2012年3月のアーカイブ

311日、皆さんはどのように過ごされたでしょうか。

 

私は、福島県の地銀から行員さん向けの研修の講師のご依頼を頂き、日帰りで郡山に行って来ました。

 

研修は午後2時からで、震災発生時刻の午後246分はちょうど研修の真最中にあたるため、研修を始める前に参加者全員で黙祷を行いました。

 

研修では銀行員として、福島県の復興、被災地の皆さんの生活再建につながるような資産運用のアドバイスをどう行なえばいいのか、私なりに一所懸命お話ししたつもりです。

 

郡山の街では、あちこちで復興を祈るイベントが行われているようで、駅近くの商店街では、道や空き地に東北地方を中心とする全国のB級グルメの屋台が多数並び、多くの家族連れでにぎわっていました。

 

 

0311_1.jpgのサムネール画像 

0311_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像研修の後、弊社のグループメンバーとして参加して頂いている地元のFPの方と久しぶりにお会いする機会がありました。

 

その方は不動産鑑定士でもあるのですが、郡山市内の土地の評価を依頼され毎日忙しく元気にしているということで少し安心しました。

 

今は、放射能汚染の度合いで、評価をどう変えるべきかということで悩んでいるそうで、実際に線量計を持って、あちこちの土地で測定を行っているのだそうですが、同じメーカーのものでも線量計が違うと、同じ場所で同じ時刻に測定しても異なる値が出てしまい、困っているそうです。

 

ましてや天候や測量場所が12m離れるだけでも、数値はかなり違ってしまうそうです。

 

本格的な復興に向けて前進するためには、まだまだ乗り越えねばならない壁がいくつも存在するのだろうということを実感した話でした。

 

弊社の役社員の中にも、個人的に土日の休みを利用してボランティアでガレキの後かたづけに参加している人間がいます。

 

会社としても継続的に行える支援を考えていきたいと思います。

 

(3)投資信託のリターンの計算方法

 

シャープレシオの計算式でも用いられる投資信託のリターンが、どのように計算されているのかを確認しておきましょう。

 

まず投資信託の時価は「基準価額」で表示され、毎日(営業日)算出されています。

 

投資信託のリターンは、この「基準価額」の騰落率、すなわち、2時点間で比較して、何%上昇したか、下落したか、で算出されるのが基本です。

 

ただし、投資信託の場合、「分配金」についても考慮する必要があります。

 

基準価額は、決算時に分配金が支払われるとその分だけ下がりますので、騰落率を計算する期間内に分配金が支払われていれば、これを基準価額にプラスした上で、リターンを計算することになります。

 

分配金を考慮する方法には、次の二つがあります。

 

ひとつは、後の時点の基準価額に単純に足し算する方法です。

 

たとえば、1年前の基準価額10,000円、現在の基準価額10,800円、途中で200円の分配金を支払ったのであれば、現在の基準価額に200円プラスして計算する方法です。

 

   10,800円+200円=11,000

 

   (11,000円÷10,000-1)×10010

 

すなわち、騰落率は10%となります。

 

もうひとつは、分配金を支払わなければ、現在の基準価額がいくらになっているか、を計算する方法です。

 

この方法で算出された基準価額は「分配金再投資後の基準価額」といわれます。

 

この計算は、分配金が支払われた時点の基準価額などの情報が必要となりますので、単純に計算することはできません。

 

どうしても必要な場合は、運用会社が算出した数字を活用することになるでしょう。

 

では、リターンの計算例を紹介しましょう。

 

現在、11,500円の基準価額の投資信託の過去の基準価額が以下の図のようであったとします。(基準価額は既に分配金込みの数値とします)

 

実践編(3)_1.bmp

このときのファンドのリターンは、次のように計算されます。

 

6ヶ月騰落率   11,500÷10,500-1=0.0952・・・  ⇒  約 9.5

 

1年騰落率    11,500÷9,80010.1734・・・   ⇒  約 17.3

 

このような2時点間の騰落率は、それぞれ6ヶ月、1年、3年など期間が異なりますので、1年という期間にそろえて比較することがあります。

 

これを「年率換算リターン」といいます。

 

2時点間の騰落率を年率換算する際には、1年未満の場合は、通常"単利計算"(単純にその年数で割算する)で行われます。

 

例えば6ヶ月騰落率が9.5%の場合、

   9.5%÷0.5年=19.0

と計算し、年率換算リターンは、19.0%となります。

 

1年超の騰落率を年率換算する場合は、"単利計算"と"複利計算"の二つの方法があります。

 

実践編(3)_2.bmp一般的に年率換算リターンは、複利計算で算出されていることが多いようです。

 

 

()へ続く