入門講座28:賢い投資信託の選び方<実践編>(9)

(9)シャープレシオを使うときの3つの注意点

 

シャープレシオを使って投信を評価する際には、次の3つの点に注意してください。

 

 

1.同じカテゴリーに属す投信同士で比較しよう

 

株式の投信と債券の投信とを比較したり、株式の中でも先進国株と新興国株の投信、といったように、属すカテゴリーが違う投信をシャープレシオで比較してもあまり意味がありません。

 

できれば中国株ファンドは中国株ファンド同士、日本株ファンドならばバリュー株型同士、中小型株型同士、といったように、できる限り似た投資対象や運用スタイルのファンド同士で比較するようにしましょう。

 

アクティブ運用の投信で良いものを探そうとする場合には、同じカテゴリーのインデックス運用の投信よりもシャープレシオが上回っているものを選ぶというのが基本と考えてください。

 

 

 

2.期間を変えてシャープレシオを比較しよう

 

シャープレシオがマイナスになる期間(リターンがマイナスで損失を被っている場合のことです)で比較してもあまり意味がないため、「1年」「5年」「10年」など、異なる期間のシャープレシオをチェックし、できるだけ長い期間にわたって他よりも数値が上回っている投信を選びましょう。

 

 

 

3.既存ファンドを中心に比較しよう

 

新しく作られたファンドにはそもそも、リスクやリターン、シャープレシオの数値など、実績を示す数字がありませんから、基本的にはシャープレシオは既存ファンドを中心に活用してください。

 

新ファンドを購入した場合には、1年程度が経過した時点でシャープレシオがどうなっているかを必ず確認するようにしましょう。

 

 

 

(10)へ続く