入門講座⑮:賢い投資信託の選び方<基本編>(4)

(4)運用手法・スタイルをチェック!━「トップダウン・アプローチ」か「ボトムアップ・アプローチ」か━

株式投信・公社債投信ともに、アクティブ運用を行うために用いられる投資対象の選定手法には、「トップダウン・アプローチ」と「ボトムアップ・アプローチ」があります。

 

まず、「トップダウン・アプローチ」の手順は、例えば日本株ファンドならば、最初にマクロ分析を行ないます。つまり、経済成長率やインフレ率、金利、為替などの予測を行ない、それに基づいて産業セクター(業種)ごとの収益状況を予測し、好調が予想される産業の中から魅力的な企業を選択していくという手順をとるわけです。

 

また、グローバル投資型ファンドならば、一般的には各国の株価動向の予測などで地域別や国別の投資比率を決定し、その比率の中で地域ごと、国ごとに個別銘柄を選択することになります。このように、世界各国の株式市場や業種セクター全体についての見通しを立てた上で、個別銘柄の選択を行なうのが「トップダウン・アプローチ」です。このタイプのファンドの運用成績は、その運用会社のマクロ経済についての予測ノウハウや正確さに左右される部分が大きいといえます。

 

一方の「ボトムアップ・アプローチ」では、まずは魅力的な個別銘柄のピックアップに専念し、その銘柄を積み上げてポートフォリオを構築していきます。この場合、ファンドマネジャーによる個別企業の訪問やリサーチなどが活発に行なわれ、銘柄選択の有力な情報源となりますので、ファンドの運用成績は、個々のファンドマネジャーの眼力と手腕によって決まってくる部分が大きくなるといえるでしょう。

 

(5)へ続く