入門講座⑱:賢い投資信託の選び方<基本編>(7)

(7)評価情報を上手に活用!

ファンド選択時の有力な情報として、「投信の評価情報」があります。複数の投信評価会社が、星印や特定の記号を用いてファンドの過去の実績についての評価を投資家に提供しています。ただし、評価情報はあくまでも過去の実績についてのもので、将来の成績を予測しているわけではありませんから、使い方には注意が必要になります。

 

一般的に投信の評価は

①分類の基準設定と各ファンドの分類

②リターンとリスクの計測

③リターンとリスクの両面から見た総合ポイントの算出

④ランキング

⑤上位から順番に星印や記号をつける

の手順に沿って行なわれます。最初に行なうのはファンドの分類ですが、これは例えば日本株ファンドと米国株ファンドを同じ土俵で比べても、投資対象自体のリターンの違いが大きいため、ファンド同士の比較がしにくいからです。

 

最終的な評価は、リスクとリターンの両面から見た総合評価となりますので、評価会社は「安定的に良好なリターンをあげてきたファンド」をよいファンドとしていることが多いといえます。その結果、例えば「短期的に素材関連株の値上がりが予測できるので、その上昇を捉えられるファンドを購入したい」というような場合には、評価情報はあまり役立たない可能性が高いといえるでしょう。

 

つまり、投信の評価情報を使う場合には、まず「どのようなファンドを買いたいのか」「どのようなスタンスで投資するのか」が重要となります。漠然と「何でもいいから星印の多いファンドを」といった選び方をすると、自分のニーズと合致しないファンドを選んでしまいかねません。代表的なデータとその読み取り方については、賢い投資信託の選び方(実践編)でお話ししたいと思います。

 

(8)へ続く