共同通信配信 「経済ウイークリーマネードクター」
2011年6月 神戸 孝
増資による保有株の影響は
Q. 保有銘柄の増資のニュースが流れましたが、どういう影響があるのでしょうか。
A. 増資は、企業が新たに株式を発行することにより必要な資金を調達する手段です(無償増資を除く)。一般的には、増資によって新たに集めた資金で、企業は負債の返済や成長性の高い事業への投資などを行います。その結果、財務体質が改善されたり、収益性が向上すれば、長期的には企業価値が高まり、株価へのプラスの効果が期待できます。
しかし、すぐにその効果が現れるわけではありません。また、新たに大量の株式を購入してもらうために市場価格より低めの価格で発行が行われることも多く、一般的には株価が一旦下がる傾向が見受けられます。また、取り敢えず支払い期限の来る借入れの返済に充てるといった後ろ向きの理由で行う場合には、将来的な企業価値の増大を見込みにくく、将来の株価にもマイナスの効果を及ぼすことがあります。
借入れとは異なり、増資で調達した資金には返済の義務はありませんが、安易に行えば株数が増えた分、1株当りの利益や配当は下がるわけで、既存の株主の権利が損なわれるだけということにもなりかねません。
増資のニュースを見たら、その資金の活用目的をチェックし、株価に与える影響を考えて、売却か保有継続かを判断することになるでしょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)
A. 増資は、企業が新たに株式を発行することにより必要な資金を調達する手段です(無償増資を除く)。一般的には、増資によって新たに集めた資金で、企業は負債の返済や成長性の高い事業への投資などを行います。その結果、財務体質が改善されたり、収益性が向上すれば、長期的には企業価値が高まり、株価へのプラスの効果が期待できます。
しかし、すぐにその効果が現れるわけではありません。また、新たに大量の株式を購入してもらうために市場価格より低めの価格で発行が行われることも多く、一般的には株価が一旦下がる傾向が見受けられます。また、取り敢えず支払い期限の来る借入れの返済に充てるといった後ろ向きの理由で行う場合には、将来的な企業価値の増大を見込みにくく、将来の株価にもマイナスの効果を及ぼすことがあります。
借入れとは異なり、増資で調達した資金には返済の義務はありませんが、安易に行えば株数が増えた分、1株当りの利益や配当は下がるわけで、既存の株主の権利が損なわれるだけということにもなりかねません。
増資のニュースを見たら、その資金の活用目的をチェックし、株価に与える影響を考えて、売却か保有継続かを判断することになるでしょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)