共同通信配信 「経済ウイークリーマネードクター」
2017年9月号 神戸 孝
株主の配当課税の方法は?
Q.株式の配当等について税金を安くする方法ができたと聞きましたが。
掲載紙:
下野新聞 8月25日
山陰中央新聞 8月27日
高知新聞 8月28日
等
A.平成29年度の税制改正で、上場株式等の配当や譲渡所得等について、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できることが明記されました。従来は申告不要とするか、所得税の確定申告を行うだけで住民税の申告は行わないのが一般的でした。
配当所得について、所得税・住民税とも「申告不要」を選択すると、税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)となります。一方、確定申告を行い、両税とも「総合課税」を選択した場合には、配当所得の金額の10%の所得税と2.8%の住民税の税額控除(配当控除)を受けることができ、所得税の税率が20%までの人は、配当にかかる税率が20.315%より低くなります。ただし、確定申告を行うことで課税所得が増え、国民健康保険料や保育料などが増えることがありました。
今後は、所得税は「総合課税」、住民税は「申告不要」と異なる課税方法を選択すれば、住民税の税率が5%なので、先の配当控除を適用した際の7.2%(10%−2.8%)よりも低くなり、国民健康保険料などへの影響もありません。課税所得が900万円以下の人はこれにより納税額を減額できます。
ただし、住民税について所得税とは異なる課税方法を選択する場合には、納税通知書が送られるまでに、配当所得を記載しない住民税の申告書を提出する必要があります。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)
掲載紙:
下野新聞 8月25日
山陰中央新聞 8月27日
高知新聞 8月28日
等
A.平成29年度の税制改正で、上場株式等の配当や譲渡所得等について、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できることが明記されました。従来は申告不要とするか、所得税の確定申告を行うだけで住民税の申告は行わないのが一般的でした。
配当所得について、所得税・住民税とも「申告不要」を選択すると、税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)となります。一方、確定申告を行い、両税とも「総合課税」を選択した場合には、配当所得の金額の10%の所得税と2.8%の住民税の税額控除(配当控除)を受けることができ、所得税の税率が20%までの人は、配当にかかる税率が20.315%より低くなります。ただし、確定申告を行うことで課税所得が増え、国民健康保険料や保育料などが増えることがありました。
今後は、所得税は「総合課税」、住民税は「申告不要」と異なる課税方法を選択すれば、住民税の税率が5%なので、先の配当控除を適用した際の7.2%(10%−2.8%)よりも低くなり、国民健康保険料などへの影響もありません。課税所得が900万円以下の人はこれにより納税額を減額できます。
ただし、住民税について所得税とは異なる課税方法を選択する場合には、納税通知書が送られるまでに、配当所得を記載しない住民税の申告書を提出する必要があります。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)