共同通信 『経済ウィークリー』
2012年3月号 神戸 孝
仕組み債の注意点は?
Q. 仕組み債と呼ばれる高利回りの債券を勧められたのですが、注意点を教えてください。
A. 仕組み債は通常の社債などにデリバティブ(金融派生商品)を組み合わせた債券です。多くにはオプション取引が組み込まれています。オプションは、決められた条件で金融商品を売買する“権利”で、オプションの売り手になると、その価値の分の代金を受け取れます。それを金利に上乗せするため、高めの利回りになっているわけです。
しかし、仕組み債の中には、最初に決められている条件に該当すると元本割れが生じるリスクがあるものが多く存在します。例えば、日経平均株価の水準によって、償還額が変わる仕組み債の場合、判定日の日経平均株価が予め定められた価格を下回ると、償還額は投資元本を下回ります。一方、日経平均株価がどんなに上昇しても償還額は元本以上にはなりません。
満期前償還の条件が設定されているタイプでは、日経平均株価がある価格を上回ると、債券は満期を待たずに償還されます。この場合、高金利はその時点までしか得られないことになります。
また、満期前に債券を売却するのが容易とはいえず、売却条件が悪くなったり、損失を被るリスクもあります。
もちろん、満期まで高金利を享受できる可能性もありますが、元本部分に損失が発生する可能性がある分だけ高利回りとなっている場合が多いことに注意しましょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)
A. 仕組み債は通常の社債などにデリバティブ(金融派生商品)を組み合わせた債券です。多くにはオプション取引が組み込まれています。オプションは、決められた条件で金融商品を売買する“権利”で、オプションの売り手になると、その価値の分の代金を受け取れます。それを金利に上乗せするため、高めの利回りになっているわけです。
しかし、仕組み債の中には、最初に決められている条件に該当すると元本割れが生じるリスクがあるものが多く存在します。例えば、日経平均株価の水準によって、償還額が変わる仕組み債の場合、判定日の日経平均株価が予め定められた価格を下回ると、償還額は投資元本を下回ります。一方、日経平均株価がどんなに上昇しても償還額は元本以上にはなりません。
満期前償還の条件が設定されているタイプでは、日経平均株価がある価格を上回ると、債券は満期を待たずに償還されます。この場合、高金利はその時点までしか得られないことになります。
また、満期前に債券を売却するのが容易とはいえず、売却条件が悪くなったり、損失を被るリスクもあります。
もちろん、満期まで高金利を享受できる可能性もありますが、元本部分に損失が発生する可能性がある分だけ高利回りとなっている場合が多いことに注意しましょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)