Ｑ．マイナス金利という言葉を聞きましたが、金利がマイナスになることがあるのですか?

Ａ．通常、お金を借りる人が貸す人に対して支払うものが金利ですが、マイナス金利の状況では、逆にお金を貸す人が借りる人に対して金利を支払うことになります。
実例として、先日クレディ・スイスという銀行が、顧客である金融機関のスイスフラン建ての預金に対して、マイナス金利を適用したことが話題になりました。預金する側が、預ってもらうための手数料を払うことになったわけです。その背景には、資金の運用難が続く中で、これ以上預金が増えても困る銀行側と、手数料がかかっても安全な場所に資金を置いておきたい預ける側という両者の事情がありました。
他にも、債券の利回りがマイナスになる場合に、マイナス金利と呼ばれることがあります。今年1月のドイツ国債6カ月ものの入札で、安全な資産を求めて購入希望が増え、価格が上昇。最終利回りがマイナス0.0122%になってしまいました。つまり、購入価格の方が、6ヵ月後に戻ってくる元本と利息の合計額より高くなってしまったわけです。　
その後も、財政状態が比較的良好な国々の国債流通市場では、ときどきマイナス金利が見られるようです。このような傾向は、ユーロが危機を脱するまで続く可能性があるでしょう。
　（ＦＰアソシエイツ　アンド　コンサルティング　神戸　孝）