Ｑ．J-REITの価格が上昇しているようで、買いたいと思うのですが。

Ａ．国内の不動産投信（J-REIT）の価格は昨年末頃から急騰し、代表的な指数である東証REIT指数は、過去1年間で74%も上昇しました（3月末時点）。
この背景には、金融緩和により長期金利が低下してきたことに加え、不動産市況の回復への期待感が強く、分配金による安定した収益を求める金融機関や投資信託を経由しての個人の購入が増えていることがあるようです。
また、政策面での後押しも続いています。今後もJ-REITの財政基盤の安定性向上のため、資金調達や資本政策手段の多様化に向けた投資信託法の改正が予定されているほか、日銀による買い入れも継続的に行われています。さらに、黒田日銀新総裁のもとで、買い入れの拡大が決まっています。
　ただし、価格の上昇に伴って分配金利回りは低下する傾向にあります。アベノミクスによるインフレへの期待感が先行して価格を押し上げている面もあるでしょう。今後、実際の不動産の価格や賃料が期待通りに上昇していかないような場合には、これまで急上昇してきたこともあり、価格が下落する可能性にも注意が必要です。

（ＦＰアソシエイツ　アンド　コンサルティング　神戸　孝）