Ｑ．運用の途中で繰上償還される条件が付いている投資信託があると聞いたのですが。

Ａ．ご質問の投資信託は、基準価額があらかじめ設定された「一定水準」に到達した場合には、安定運用に切り替えて償還する、ということを定めている投資信託のことでしょう。「一定水準」は、11,000円、12,000円、13,000円などさまざまです。その価額に達しない場合は、当初定められた償還期限まで運用が続けられます。
投資家の「購入した投資信託が値上がりしたのに、換金のタイミングを逃してしまった」との声に対応した商品といえるでしょう。
ファンドの名称に「繰上げ償還条項付き」「120％到達時繰上償還条件付」などと明示されている場合もありますが、名称だけではわからないものもあり、いずれにしても繰上げ償還になる条件を目論見書などで確認する必要があります。
繰上げ償還条件付きのファンドは「単位型」や「限定追加型」で募集されるのが一般的です。単位型は設定前の募集期間中のみ購入可、限定追加型では購入できる期間が設定から数ヵ月間に限定されています。
また、ファンドの基準価額が設定された「一定水準」を超えることが保証されているわけではありませんので、一般的なファンドと同様に元本割れリスクもあります。
（ＦＰアソシエイツ　アンド　コンサルティング　神戸　孝）