共同通信 『経済ウィークリー』
2014年11月号 神戸孝
豪ドル建ての終身保険
Q.個人年金がわりになるという豪ドル建ての一時払い終身保険を薦められましたが、注意点は。
東奥日報 2014年12月7日
高知新聞 2014年12月1日
A.一時払い終身保険は、死亡時に払込保険料より多額の死亡保険金が支払われる保険商品ですが、最近は死亡保険金を払込保険料とほぼ同額にするかわりに、毎年定期的に積立金の一部を受取るタイプのものが出てきました。なかでも積立利率が高めの豪ドル建ての商品を薦められるケースが増えているようです。
定期受取額は、「基本保険金額(払込保険料)×積立利率」で算出されます。払込保険料が10万豪ドル(1豪ドル100円であれば1000万円)の場合、現在(14年11月)の積立利率は2%台なので、年に2千数百豪ドル(為替レートが同一なら20数万円)を受取ることができます。積立利率は10年(または15年)毎に見直されます。
豪ドル債を直接購入する場合、期間10年の一般的な豪ドル債の現在の利率は3%台前半なので、10万豪ドル分購入すれば、年に3千数百豪ドルの利金が得られ、満期時には額面金額が戻ってきます。保険関連費用が不要な分だけ、毎年の受取額は多めになります。
豪ドル建ての長期債への直接投資が不安な場合などに利用を考えるのでしょうが、外債と同様に元金(死亡保険金)だけでなく定期受取金も、円での金額は為替動向で変動します。また、早期に解約すると解約控除が差し引かれることにも注意が必要でしょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)
東奥日報 2014年12月7日
高知新聞 2014年12月1日
A.一時払い終身保険は、死亡時に払込保険料より多額の死亡保険金が支払われる保険商品ですが、最近は死亡保険金を払込保険料とほぼ同額にするかわりに、毎年定期的に積立金の一部を受取るタイプのものが出てきました。なかでも積立利率が高めの豪ドル建ての商品を薦められるケースが増えているようです。
定期受取額は、「基本保険金額(払込保険料)×積立利率」で算出されます。払込保険料が10万豪ドル(1豪ドル100円であれば1000万円)の場合、現在(14年11月)の積立利率は2%台なので、年に2千数百豪ドル(為替レートが同一なら20数万円)を受取ることができます。積立利率は10年(または15年)毎に見直されます。
豪ドル債を直接購入する場合、期間10年の一般的な豪ドル債の現在の利率は3%台前半なので、10万豪ドル分購入すれば、年に3千数百豪ドルの利金が得られ、満期時には額面金額が戻ってきます。保険関連費用が不要な分だけ、毎年の受取額は多めになります。
豪ドル建ての長期債への直接投資が不安な場合などに利用を考えるのでしょうが、外債と同様に元金(死亡保険金)だけでなく定期受取金も、円での金額は為替動向で変動します。また、早期に解約すると解約控除が差し引かれることにも注意が必要でしょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)