共同通信 『経済ウィークリー』
2011年9月 神戸 孝
為替リスクを抑えた外貨投資
Q.為替リスクを抑えた外貨投資が可能と聞きましたが、どういうものですか。
A.外貨投資で為替リスクを避けるには、為替予約付の外貨預金を利用するなどの方法がありますが、日本より金利の高い通貨について為替ヘッジを行うと金利差分のコストが発生し、円預金で運用するのとほとんど変わらない金利水準になってしまいがちです。
しかし、複数の外国債券に投資を行う投資信託のうち、「為替ヘッジあり」タイプのものは、1ヶ月間の為替予約を繰り返し行うのが一般的です。リーマンショック以降、短期金利の金利差がほとんどなくなっている円と米ドルの間ではヘッジコストが極めて低くなっています。一方、長期の金利である債券の利回りには日米間でまだ差があり、特に米ドル建ての高格付け社債などに為替ヘッジ付きで投資を行うタイプの投信の中に、この金利差を活かして好成績を収めているものが見受けられます。
このような投信を活用すれば、為替リスクを抑えた外貨投資が可能となりますが、投資の対象となる債券が豪ドルなど、日本と短期金利の差が大きい国の通貨建ての場合には、ヘッジコストが高めになってしまうため、「ヘッジあり」タイプの外債投信ならばすべてが有利な状況とは限らないことに注意しましょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)
A.外貨投資で為替リスクを避けるには、為替予約付の外貨預金を利用するなどの方法がありますが、日本より金利の高い通貨について為替ヘッジを行うと金利差分のコストが発生し、円預金で運用するのとほとんど変わらない金利水準になってしまいがちです。
しかし、複数の外国債券に投資を行う投資信託のうち、「為替ヘッジあり」タイプのものは、1ヶ月間の為替予約を繰り返し行うのが一般的です。リーマンショック以降、短期金利の金利差がほとんどなくなっている円と米ドルの間ではヘッジコストが極めて低くなっています。一方、長期の金利である債券の利回りには日米間でまだ差があり、特に米ドル建ての高格付け社債などに為替ヘッジ付きで投資を行うタイプの投信の中に、この金利差を活かして好成績を収めているものが見受けられます。
このような投信を活用すれば、為替リスクを抑えた外貨投資が可能となりますが、投資の対象となる債券が豪ドルなど、日本と短期金利の差が大きい国の通貨建ての場合には、ヘッジコストが高めになってしまうため、「ヘッジあり」タイプの外債投信ならばすべてが有利な状況とは限らないことに注意しましょう。
(FPアソシエイツ アンド コンサルティング 神戸 孝)